ツールド北海道2004

2004年
ついに、憧れのレース、ツールド北海道に出場できることになった。
8月上旬の事故の影響により、1ヶ月まともな練習はできなかった。
下旬のインカレは欠場したが、出来る限り追い込んだ練習をして備えた。
が、未知のレースであり、不安が大きかった。
インカレ期間中に電話で、北大チームからの打診があったと思う。悩んだうえで、出場を決めた。
出場権は、自分の力で勝ち取ったものではなかったが、
それでも昔からの憧れのレースに出れると言うことは、
やはり嬉しかった。


この年のツールは、モエレ沼でのプロローグを経て、
第一ステージは、大通り公園をスタートし、朝里峠、
中山峠を越える最もハードなステージ。
その後も、ハードなステージをこなしながら、
函館へゴールする。

練習は、充分に出来ていなかったことと、
全くレベルが未知のレースということもあり、
かなり緊張していた。

プロローグの前日、美幌を出発し、札幌に到着。
かなり大きな台風の影響により、大会の開催も
不安視されていたが、無事開催されることになった。
しかし、北大チームに合流して、北大のなかを
みると、ポプラ並木が倒れていたりと、
影響の大きさを感じた。

新納さんと、学食へいき、昼食をご馳走になった。
完走できるか、不安だと伝えると、
7月の全道ロードの走りが出来れば、
完走は問題ないと、言われる。
しかし、その時よりも、力は落ちていると感じており、
不安は拭えなかった。

サポート役の同年代の人に、自分が出るより、
君が出てくれて良かったと言われるが、
完走できるかが不安で、それに応えられる走りが
できるという自信がなかった。

夕方、部室近くの道で、サコッシュの受け渡しの練習を
したが、これも始めてで、不安だけが残る。

たしかNTTの宿舎に泊まったと思う。

緊張した夜を過ごしながら、プロローグを迎えた。
たしか、前走者は、シマノの土井選手。
目標にして走ろうと意気込むも、当然のように、
すぐ見えなくなる。
ペース配分がよくわからないまま、ゴール。
結果は、下から3番目。
落車した岡崎さん、チームメイトの
若木さんの上だった。
今思うと当然だが、これがその時の実力。

第1ステージは、大通りスタート。
こんなところからのスタートは、
とても貴重な経験だった。
スタートは、前列に陣取り、ローリング
スタートのときも、前のほうへ。
しかし、それも続かず、後ろの方へと
追いやられる。
前にいこうとするも、最初の小林峠での
ペースですら、キツイ。
なんとか、ついていき、下ると、
逃げができて、ペースが落ち着く。
小樽への5号線は、ゆっくりペースだったが、
後輪が重たく感じる。
力不足だったんだろう。
朝里峠へ入ると、早々に着いていけず、
集団から離れてしまう。
サポートカーからの援助も虚しく、集団復帰ならず、
一人孤独に走る。
なんとか、中山峠に入るも、当然集団は見えず、
パラパラ数人が見えるだけ。
途中、鹿屋の安藤さんと、一緒になり、
下りにて入り、多目に引いてもらう。
も、喜茂別手前で二人ともタイムアウト
その後、バスはどんどん選手を回収し、
20人位で、伊達市に到着。
日が傾きかけた伊達の駐車場は、日差しが強く、
暑かった記憶がある。

洞爺湖のホテルで、救済措置があると告げられるも、
自分は対象外。
北大チームは、自分を、除いて4名で、第2ステージに
進むこととなった。
その夜、翌日走ることはないのに、選手だからと、
マッサージをしてもらった。
なんとも、せっかく厚意でメンバーにしてもらったのに、
不甲斐ない走りで、大変申し訳なく、せめてもの
お返しにと、これからはチームへのサポートに尽くそうと
思った。

第2ステージは、洞爺湖をスタートして、ニセコの山々を
越えるステージ。
レース中は、与野さんと、車でコースを先回りして、
途中途中の山場で、応援することに。
ただ、自分は、地理も地図も読めず、与野さんが、運転しながら。地図をみつつ、道を先回りしており、助手席にいただけで、
役立つことはなかった…。
序盤のニセコの山場で、愛三の西谷選手が、目の前を単独通過。
トップ選手の山岳の走りを目の当たりにできた。
このステージで、確かメンバーは3人になった。

第3ステージは、長万部から、上磯ゴール。
天気があまり良くなかったと思う。
序盤の峠にいたが、かなり皆辛そうだった。
その後、もう一度先回りし、観戦したときは、
平坦でペースは落ち着いていた。
函館に泊まった。

第4ステージは、七飯から、遠回りして函館ゴール。
確か、七飯は雨が降っていた。
途中の峠で観戦。
狩野さんが、荒い息づかいで、外人と二人で登ってきた。

第5ステージは、クリテリウム
福島康司さんが、スタート前、話しかけてくれ、
完走できなかったというと、明るい声で、
また頑張ろう!と言ってくれた。
チームは、皆、完走してくれた。

その夜、函館駅近くのホテルで、閉会式と懇親会。
同世代の学生が活躍していて、とても羨ましかった。
長沼くんは第1ステージでの逃げ、守澤くんはアンダー総合かつ10位代。
十代なのに、アンダー総合の賞品がワインで、ツッコミがあった。
そこで、ダイジェストの動画を見た。
走っている選手たちは、やはり憧れで、自分とは
違う世界だと感じていた。

翌日、チームの皆で函館から札幌へ。
時間以上に、長い道のりだった。
親に札幌まで来てもらい、美幌へ帰った。