ツールド北海道2007

ここら辺が、悲しいかな人生のハイライトなのであろう。
当初死ぬほどかけたレースではなかったが、
直前に決まった早稲田としてチームで出れて良かった。

北海道選抜として出場予定だったが、海外チームが出場キャンセル、学生個人ロードで明治が出てなかったこともあり、早稲田のポイントが高く、3週間くらい前に出場が決まった。

正直、7月以降、シーズンの疲れから、満足な練習はできず、自信はなかった。
多分そのシーズンで疲労も少なく調子が良かったのは、5月で、そこからはコンディションは下り基調だった。

このシーズンは色々あったので、いずれ振り返られればと思う。
夏休みで美幌に帰り、ロングとして、美幌から知床峠を2回ほど往復するも走りはイマイチ。

この年は、メンバーが豪華だったので、
盛り上がっていたと思う。
ユキヤや、土井さん、宮澤さん。
オーストラリアチャンプや、イランチーム。
コースは、事前のイメージだと、これまでと
同じだと思っていたが、はしってみると、
厳しい道南のコースだった。

四年生だったこともあり、事務的なことは、
かなり自分がやった。

前日美幌から小樽へ車移動。
昼について、駅前の地下で昼食。
宿はクラッセ。
車を借りて、小樽で監督会議に出る。
選手だけで、来てるのは、自分だけ…。
戻って、夕食食べて、夜中に軽く走る。
風呂に入って、大部屋で寝た。
寝付きは良くなかった。

第一ステージは、小樽スタートで、
トーマル峠を、越えてゴール。
午後からは、タイムトライアル。

クラッセから小樽までアップがてら
自転車でいく。
少し迷ったが、無事到着。
スタート前、少し阿部ちゃんと話す。

スタートしてからは、福島さんの誕生日をお祝い
したりして、なごやかかと思っていたが、
序盤のアップダウンで、かなりペースがあがる。
コースが全然わからず、初めから結構な
登りがあり、驚いた。
海岸線で落ち着くも、トーマル峠へ突入。
ペースがそこまで速くないので、
前のほうへ。
土井さんが来たので、着いていくも、先頭交代を
要求され、少し走ってみたが、キツイので、
後ろへ。
重めのギヤをグイグイと踏んでいく土井さんの印象は、
とても印象的だった。
追い付かれて、キツイながらも、前のほうにいたら、
山岳ポイントで、もがいて、ポイント獲得。
下ってみると、そこそこメンバーが絞られており、
チャンス。
前から来た飯島さんを自分の前に入れようと、間を
空けていたら、キレられた…。
ゴール前クランクで微妙に位置を下げつつも、
最後の登り基調のスプリントで抜いて、
ステージ13位。

昼は胸焼けしてあまり食べれず。
道新の記者から取材を受けた。
午後からは、アップで少しだけ踏んでおく。
前後に全日本チャンピオンの岡崎さんと畑中くんという結構場違いな順番ですねと、小野さんにスタート台で声をかけてスタート。
最初は上げすぎず、後半上げるイメージ。
短いから、ペース云々もなく、そこそこ出しきって
ゴール。
意外と悪くない順位だったな。
多分力抜いた人が多かったんだろうし、午前中の疲れもあったんだろう。

岩内の宿に泊まる。
個室は落ち着いた。

第三ステージは、共和をスタートして、新見峠を越えて、
もうひとつ峠を越えて、しばらく走ってゴール。

法政の島田君と、自走でスタート地点へ。
スタート地点で、藤原さんが、シマノの廣瀬さんに
話しかけて、自転車を持たせてもらっていた。
そんなに軽くないですよ~と、言って、
本当にあまり軽くはなさそうだった。

スタートしてから、新見峠はそれなりに余裕をもって、
頂上付近で、少しペースを上げてみると、
福島さんがキツそうではないか!
そのままペースをあげるも、数名に刺される。
下りは後ろで~と思っていたら、逃げが決まっていた。
が、次の山岳ポイントで捕まる。
なぜかここでは、死ぬほど苦しくて、離されそうになるも
必死に耐えた。
海岸線の補給地点、危ないから、道路線をはみ出したら
土井さんに怒られる。
そのあと、ペースが上がり、落ち着いたかなと思ったら、
逃げが決まる。
あまり総合順位に拘っていなかったので、グルペットでも
いいかなと思ったが、阿部ちゃん含め、何人か前で引いていて、
少し協力するも、調子は悪く、下がる。
それからは、本当にグルペット
シマノの野寺さんが冗談を言ったりしていた。
自分も、もうペース上げるなと思っていた。
結局、かなり差をつけられてゴール。
自分は山岳ポイントに狙いを定めていくことにした。
長万部の民宿に泊まる。
翌日のステージの噂にビビり、
うしろは、25に交換してもらった。
温泉で、ポールさんと話した。
ドイツはリーダー以外、メンバーがダメで…と言っていた。
枕の相性があまり良くなかったような気がする。

第4ステージは、長万部をスタートして、アップダウンを経て、
山場のウィンザーを越え、またアップダウンを経て、伊達にゴールする。
皆、ウィンザーに恐れをなしていた。
自分も不安ではあったが、北海道だし、そんな急で長い坂が
あるわけないだろうと思っていた。
山岳ポイントを狙って走ることにした。
元気になるかなと思い、補給に、小さい缶のリアルゴールド
入れて渡してもらうことにした。
スタートから、あまり天気が良くなかった。
パレードは、しばらくゆっくり。
アップダウンが始まると、雨が降りだした。
そこそこ自分にとっては、ペースが早く、
抜け出すことはできず、集団に着いていく。
逃げが決まっており、山岳ポイントも意味なく通過。
補給地点でリアルゴールドを受け取り、飲んでみるも、
炭酸で飲みにくかった…。
そして、缶なので全て飲まなければならない。
ペースが落ちていたので、飲むことができたが。
集団は、逃げを捕まえるために、ペースをあげていく。
自分もウィンザーに備えて集中。
少しの登りで、ペースが上がり、自分の前の田代さんが、
とてもキツそう…。
中切れされても、困るので後ろから少しプッシュ。
プライドを傷つけることにならなければいいなと
思ったが、その後で、手を上げてくれ、恐らくサンキューの
意味。
とりあえず、後ろは不安なので、前のほうに行こうと、
上がっていくと、土井さんに、お前、総合に関係ないんだから、
前にくるなとお説教を受ける。
よし、土井さんよりは、前に上がらないようにしようと、
誓う。
ウィンザー手前のアップダウン区間では、ミヤタの中村さんが、
逃げを捕まえるために、雨風のなか鬼引きしている。
実業団選手は、大変だ…と思った。
皆殺気立っているため、恐らくウィンザーであろう
登りに入る。
ここで、逃げは吸収。
自分も、前のほうで、登りに突入。
少し前に着いていたが、ペースが速くて辛い。
後ろごめん!と、横にそれると、後ろには、
ほとんど人がいなかった…。
仕方ないので、踏み続ける。
日大の大庭君が横で、ペースを合わせていた。
後ろで宮澤さんが、リーダー遅れてるぞ!と
叫ぶ。
が、自分にはあまり関係ない。
勾配がキツイので、速度がゆっくりなうえに、
雨なので、排水溝ごとに、滑る。
一番キツイところで、青木さんが応援してくれて
いたが、返すことができず。
少し勾配が、緩んだところで、ユキヤ様が、
後ろから一気に加速。
着いていけない。
少しがに股気味にクルクルとペダルを回す、
ユキヤの印象は、覚えている。
前には8人位の有力選手しかいないと、わかっており、
山岳ポイントのためにも、追い付きたいが、
走るので精一杯だった。
後半は、ずっと大庭君と二人だったと思う。
下りに入り、後ろから飯島さんと、イランが
追い付いてくる。
地獄の四人ローテ。
というか、自分は飯島さんが怖いので、なんとか前にでる
位で、必死。
飯島さんも、大庭君も、スピードレーサーだし。
前の集団に追い付いて、よし!このまま皆で!
と思ったら、さらに後ろから集団が…。
残念。
少しすると、ユキヤがアタック。
恐らくは、泳がすイメージもあり、しばらくは、
前に見えていた。
洞爺湖温泉街を抜け、少し長い登りへ。
飯島さんが、抜けだし、自分も追ってみるも、
集団を引き連れた感じで、潰してしまった…。
それからは、集団スプリントに備える。
集団もそこそこ早いペースだったが、
結局ユキヤに追い付かず。
右端から、渾身のスプリントをするも、
角のスプリントが圧倒的で、ステージ6位。
直後、狩野さんに、危ないし、後ろで、
順位競っても意味ないからやめろと、
説教を受ける。
十時は、宮澤さんと一緒にウィンザーの下りで、
集団を追ったようで、ゴール後、宮澤さんから、
ありがとうと言われ喜んでいた。
しかし、先頭集団だと思っておらず、スプリント
しなったことに、後悔していた。
三本ローラーでダウンして、室蘭へ。
室蘭の宿では、上松瀬と電話した。
結果を聞いて驚いていたが、そんなことないよ、と。
風呂では、他の学生と一緒になる。
鹿屋の角君と、少し話す。
北京はどうなの?と、聞くと、やはり飯島さんですと。
暑いのが苦手で昨日のステージは厳しかったと伝える。
片山君からは、インカレ一緒に逃げれたら良かったのに、
と言われたが、暑さで苦しくて、そんな余裕は無かったよと。
飯島さんから、強いと言われてたと聞かされ少し驚いた。
自分がそんなに評価されているとは、思っていなかった。

風呂から、上がり、親と少し電話。
明日はオロフレの頂上で待っているよ、と。
もう総合は厳しいから、山岳ポイントを狙うと伝えた。
十時と相部屋で、明日はどんなレースですかと聞かれ、
どうなるかはわからないよと伝え、ゆっくりして寝た。

第5ステージは、室蘭スタートで、オロフレを越えて
アップダウンを経て、支笏湖を登り、真駒内にゴールする。

朝食を食べ、フロントで新聞を読みつつ休憩。
自転車の保管室が近くで、ミヤタの自転車に、
金色のシャマルが付いていて、格好良かった。

スタート地点は、すぐ近く。
アップがてら、近くをうろうろ。
スタート直前、ブレーキが戻りにくくなるアクシデントが
あるも、少し調整してもらい、ラバネロの飯野さんに、
手で戻せば大丈夫だよと言われる。

スタートしてからは、パレードこそ、ゆっくりだったが、
海沿いの平坦道は、結構なスピードで進んだ。
逃げも出来ていたが、入れず集団のなかで、走る。
オロフレに入ってからは、そこそこのペースで進む。
角君からは、今日暑いですねと言われ、
少しね…と答える。
前に入ろうとしたら、マトリックスの橋川さんに、
お前強いかもしれないけど、割り込んでくんなよ!
と、怒られる。
そこまで、変な動きはしていないと思いつつも、
複雑な心境。
本格的に登り始めてからは、メイタンが、コントロール。
ミヤタカ、福島さん、ユキヤの後ろなら、目立てて、写真にも
写るだろうという、スケベ心。
後で写真をみたら、バッチリ写っていた。
ミヤタカさんが、頑張ろうとあげるも、福島さんからは、
一定ペースで!とのこえ。
後ろの自分は、楽でもなく、死ぬほどキツくもなく、
飛び出せないペースで、やけに路面抵抗が重く感じた。
途中、とってもうるさい応援に遭遇。

前には、追い付くことができず、霧のなか山頂を通過。
下ってから、土井さんと話すことが、出来た。

お前強いな。今、何年?
4年です。
卒業か、自転車続けるの?
いえ、今年で最後で、普通に就職します。
そうか、もったいないなー、強いのに。何て言う会社?
北海道のホクレンというところです。
あー、銀行か?
いいえ、農協みたいなところです。
そうか、後ろに、鹿屋の角がいるから、お前も前を
引くのを協力してくれ、アンダーとれるかもしれないぞ。
お前のチームメイトにも、伝えてくれ。
わかりました。

十時と二人で集団前方へ。
少しだけ前に出たが、そこそこキツく、一度前に出て、
後ろに下がってしまった。
その後、少しキツイ登りが現れて、土井さんが
ペースを上げる。
積極的にレースして、結果も残して凄いなぁと、
後ろで感心。

大滝の補給所へは、平和に流れる。
土井さんに、さっきはありがとうと言われ、
いえいえ、後ろ離れましたかねと聞くと、
無線で聞いてくれたが、ハッキリとは
分からなかった。

補給所を過ぎると、西谷さんが、本当にすーっと、
抜け出る。
少し迷ったが、集団待機。
美笛峠は、少しペースが上がって、キツメに終わる。
下りで、西谷さん吸収。
下り基調の支笏湖畔のみちでは、そこそこペースが
落ち着く。
アダムさんから、コーラを渡してもらったので、
せっかくだし、いただいた。
補給が不安だったので、後ろに下がって、チームカーから
補給食べ物を貰っておいた。
支笏湖温泉のホットスポットに向けて、ペースが上がり出す。
二人が抜け出し、メイタンが追い出す。
恐らく追い付くだろうと思っていたのだが。
風の強いなか福島さんが、引いていく。
とても、絞れた黒光りした脚が印象的だった。
必死におうも、他チームは、協力的ではなかった。
支笏湖ホロピナイ登りに入り、自分も最後の勝負どころと思い、
集中して、展開に備える。
土井さんたちが、ペースをあげて抜け出していくも、
付いていけず。
アンダーは、誰も入っていない。
ミヤタカさんが、ペースメイク。
自分も集団から抜け出し、阿倍ちゃんと、オーストリア
3人で、前を追う。
路面抵抗が重いのか、勾配はキツくみえないのに、
スピードがでなくて、とてもキツイ。苦しい。
3人で下りに入るも、後ろに追い付かれる。
そこから札幌へのアップダウン区間が地獄だった。
下り超速いし、何度も続く登りもキツイ。
後ろを振り返る余裕などなく、前に着いていくのに、必死だった。
やっと、前に追い付くも、前頭二人には追い付けず。
やっと、アップダウン区間が終わった!と思い、
ゴールスプリントに備えるかと思っていたら、
常盤で急に曲がり、まだ登りが!!
ミヤタカさんが、一気に減速していった。
皆意表をつかれただろう。
幸い登りは、短く。
あとは、ゴールスプリントに備える!ということで、
集団を見渡すと、アンダーは、阿倍ちゃんだけ。
ここで考える。
ステージシングルを狙うか、アンダー1位を狙うか。
表彰は、アンダーのみ。
よって、阿倍ちゃんをマーク。
あえて後ろに下がり、阿倍ちゃんをみる。
最後の直線に入り、皆スプリント開始!
阿倍ちゃんを捲るも、前との差は大分開いていた。
ゴールラインを通過したら、ユキヤがキレて、
ボトルを投げつける。
あぁ恐い。
やっと一息。
天沼さんの両親が、わざわざ差し入れをもって、
来てくれた。
とてもありがたい。
初めての表彰式と、インタビュー。
待っているとき、別府匠さんと話す。
後続集団からも遅れて、かなりギリギリで、
ゴールしたらしい。
今年の早稲田は強いねと言っていた。
土井さんも登場。
ユキヤには勝たせたくないから、協力しなかった
らしい。
表彰式のあと、サインを求められてびっくり。
アンダーは逆転ならずだったけど、仕方ない。

真駒内からすすきののパコまでは、自転車で行った。
携帯をいじっていたら、馬場さんから電話があった。
パコのご飯はまあまあ。
もう一仕事終えた感じがある。

第6ステージは、モエレ沼のクリテ。
ホテルから、モエレまでは、順天堂と一緒にいくことに。
会場に到着すると、飯島美和さんに呼び止められ、
インタビュー。
コースを少し回って、スタート。
クリテは、ゴールまで頑張って、スプリントで、
少しでも上にいく。
展開はあまり覚えていない。
スプリントは、いちどりがあまり良くなく、
間を縫っていく感じで、イマイチ。

やっと終わった。
岡本からは、まだ元気で走れそうですねと。
ゆっくりペースなら、まだ走れそう。

パコに戻り、休んでから閉会式へ。
結構豪華な会場だった。
斎藤さんから、クリテも結構上位だったねと驚かれる。
順位知らなかった。14位。
総合は16位。
閉会式は、ビール園。
放映されたビデオは、またまた大した映らず。
ユキヤと少し話す機会があった。
ウィンザーの登り速かったねとお世辞をいただき、いえいえと。
緊張であまり話せず。
大村と少し話す。
二次会はなく、帰って寝た。

翌日、まだ動き始めたばかりの札幌の町をあるき、
バスで美幌に帰った。
順天堂に、これから家に帰るんだと伝えると、
そうか!北海道だもんな!と言われた。